• 樫下 達也
  • 樫下 達也

    kashishita, Tatsuya

    准教授


    担当分野|音楽科教育

自己紹介

 みなさんは「なぜ小学校ではリコーダーや鍵盤ハーモニカを習うのだろう?」という疑問をもったことはありませんか?私が小学校で教師をしていたころ、ある子どもからそんな疑問を投げかけられたことがあります。なぜ小学校や中学校では歌だけでなく楽器も教えるのか。その疑問に私はすぐに応えることができませんでした。よくよく考えれば、学校現場には「そもそも、なぜ、これをしているのか」という、歴史的経緯がよく分からないまま行われている授業や行事がたくさんあります。教育を考えるとき、歴史的な視点から考えることが実はとても大事なのではないだろうか、歴史に学びながら現代の様々な教育課題を解きほぐすことができるのではないだろうか・・・。そんな風に考えるようになり、私は音楽教育史の研究者としての道を歩むようになりました。自分のなかにも「そもそも、なぜ?」がある!という方、いちど樫下研究室をおたずねください。
 下記のリンクは本学の「第26回それはかなう夢講座」における講義映像です。25分程度の動画です。(リンクをクリックすると京都教育大学公式YouTubeのチャンネルにジャンプします)

動画「なぜ小学校では楽器を習うのか?」→リンク

授業の特色

 本学の卒業生のみなさんには、「自分の教育実践が歴史の大きな流れのなかにどう位置づくのか」という大きな視点をもてる教員になってほしいと考えています。そこで、中学校の音楽科教員をめざす方のための授業「中等音楽科教育」では、音楽教育の実践や思想の歴史を学びながら、授業づくりのための教材研究に取り組みます。過去の実践に学びながら楽曲を研究し、その楽曲を子どもたちが学ぶための教材にするにはどうすればよいかを考え、それをふまえて年間指導計画や学習指導案を作成します。こうした取り組みをとおして、過去に学びつつ現在と未来の音楽教育がどうあるべきかを考える力を身につけてほしいと考えています。

担当授業科目

【学部】
・中等音楽科教育
・初等音楽科教育
・KYOKYOスタートアップセミナー
・楽器をつくろう

【教職大学院】
・芸術探究セミナー
・教科内容構成論-音楽科-
・音楽科教育実践演習-音楽教育史-

研究/活動

【研究活動】
・音楽教育実践史の研究
・教師の教職意識に関する歴史研究
・だれでも参加可能な音楽づくりワークショップの開発
【主な研究業績】
著書
・(単著)『器楽教育成立過程の研究』風間書房、2019年
・(共著)『近現代日本教員史研究』風間書房、2021年
・(共著)『学校音楽文化論:人・モノ・制度の諸相からコンテクストを探る』

論文
・「戦後日本における教育用楽器の生産、普及、品質保障政策:文部・商工(通産)・大蔵各省と楽器産業界の動向を中心に」(日本音楽教育学会『音楽教育学』第45巻第2号、2015年)
・「古楽器の鑑賞をとおして木管楽器の学習を深化させる授業の試み:バロックフルートとルネサンスフルートの生演奏による授業」(日本音楽教育学会『音楽教育実践ジャーナル』第12巻第2号、2015年)
・「子どもと楽器の出会いのプロセス : 幼稚園の音楽活動と小学校器楽教育の接続に着目して」(共著、『京都教育大学紀要』第137号、2020年)

社会における音楽教育活動
・「パレット・ソノールであそぼう2024」(出前授業、@京都市立中学校育成学級、2024年2月27日)
・「つくってみよう電子楽器・電子音楽」(ワークショップ、@京都教育文化センター、2023年12月23日~24日)
・「パレット・ソノールであそぼう」(出前授業、@京都市立中学校育成学級、2023年2月3日)
・「路線図作曲ワークショップ:パレット・ソノールであそぼう」(ワークショップ、@大阪市立青少年センターKOKO PLAZA、2023年1月14日)
・「路線図作曲in Kyoto」(ワークショップ及び公演、@京都芸術センター、2022年1月5日~10日)

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中等音楽科教育

音楽教育の歴史や思想を学びながら、中学校音楽科の授業づくりのための教材研究に取り組みます。一人ひとりが題材として選んだ音楽を研究し、それを踏まえた学習指導案を作成、模擬授業を実施します。また、日本音楽について学び、教材化する視点を考えることにも取り組みます。写真は、日本音楽を学習する過程で、能管や鉦、締め太鼓を用いて祇園囃子を体験している様子です。このように実際に体験することが、その音楽の教材化の手がかりとなります。